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Python の lambda 式:無名関数を使いこなそう

Python を学んでいると、どこかで「lambda 式」という言葉を目にするかもしれません。一見すると難しそうに見えますが、lambda 式は Python の強力な機能の一つであり、コードをより簡潔に、そして時にエレガントに記述するのに役立ちます。

lambda 式って何?

lambda 式は、一言で言うと「名前のない関数」です。通常の関数は def キーワードを使って定義し、関数名を与えますよね。しかし、lambda 式は名前を持たず、その場で定義してすぐに使うことができます。

通常の関数と lambda 式の最大の違いは、その記述方法と利用シーンにあります。通常の関数は複雑な処理や複数の文から構成されることが多いですが、lambda 式は通常、一行で完結する単純な処理を記述するために使用されます。

lambda 式の構文

lambda 式の構文は非常にシンプルです。

lambda 引数: 式
  • lambda: lambda 式であることを示すキーワード。
  • 引数: 関数に渡される引数。複数指定することも可能です。, (カンマ)で区切って記述します。
  • :: 引数と式の区切り。
  • : 引数を使って評価される式。この式の結果が lambda 式の返り値となります。return キーワードは不要です。

例えば、与えられた数値を2倍にする lambda 式は、次のようになります。

lambda x: x * 2

この lambda 式は、引数 x を受け取り、x * 2 という式を評価した結果を返します。

lambda 式の使い方

lambda 式は、変数に代入して通常の関数のように呼び出すこともできますが、主に関数を引数として受け取る関数(高階関数)と組み合わせて使用されることが多いです。代表的な高階関数として、map()filter()sorted() などがあります。

map() 関数との組み合わせ

map() 関数は、iterable(リストやタプルなど)の各要素に対して、指定された関数を適用し、その結果を新しい iterable として返します。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]

# lambda 式を使って、各要素を2倍にする
doubled_numbers = list(map(lambda x: x * 2, numbers))

print(doubled_numbers)  # 出力: [2, 4, 6, 8, 10]

この例では、map() 関数に lambda 式 lambda x: x * 2 を渡しています。map() 関数は numbers リストの各要素に対してこの lambda 式を適用し、結果として各要素が2倍になった新しいリスト doubled_numbers を生成します。

filter() 関数との組み合わせ

filter() 関数は、iterable の各要素に対して、指定された関数が True を返す要素のみを抽出した新しい iterable を返します。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6]

# lambda 式を使って、偶数のみを抽出する
even_numbers = list(filter(lambda x: x % 2 == 0, numbers))

print(even_numbers)  # 出力: [2, 4, 6]

この例では、filter() 関数に lambda 式 lambda x: x % 2 == 0 を渡しています。filter() 関数は numbers リストの各要素に対してこの lambda 式を適用し、結果として偶数のみを含む新しいリスト even_numbers を生成します。

sorted() 関数との組み合わせ

sorted() 関数は、iterable の要素をソートした新しいリストを返します。key 引数に関数を指定することで、ソートの基準をカスタマイズできます。

words = ["apple", "banana", "kiwi", "orange"]

# lambda 式を使って、文字列の長さでソートする
sorted_words = sorted(words, key=lambda x: len(x))

print(sorted_words)  # 出力: ['kiwi', 'apple', 'banana', 'orange']

この例では、sorted() 関数の key 引数に lambda 式 lambda x: len(x) を渡しています。sorted() 関数は words リストの各要素に対してこの lambda 式を適用し、結果として文字列の長さでソートされた新しいリスト sorted_words を生成します。

lambda 式を使うメリット

  • コードの簡潔性: 特に高階関数と組み合わせることで、コードを短く、読みやすくすることができます。
  • 可読性の向上: 名前を付ける必要がないため、その場限りの簡単な処理を記述するのに適しています。
  • 柔軟性: 動的に関数を生成し、処理をカスタマイズできます。

lambda 式を使う際の注意点

  • 複雑な処理には不向き: lambda 式は通常、一行で完結する単純な処理を記述するために使用されます。複雑な処理は、通常の関数として定義することを推奨します。
  • 可読性の低下: あまりにも複雑な lambda 式は、コードの可読性を損なう可能性があります。
  • デバッグの難しさ: 名前がないため、デバッグが難しい場合があります。

まとめ

lambda 式は、Python のコードをより簡潔に、そしてエレガントに記述するための強力なツールです。map()filter()sorted() などの高階関数と組み合わせることで、その威力を最大限に発揮できます。ただし、複雑な処理や可読性を損なう可能性のある場合は、通常の関数を使用することを検討しましょう。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、実際にコードを書いて試していくことで、lambda 式の便利さを実感できるはずです。ぜひ積極的に活用してみてください。





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