記録的猛暑、Pythonで過去の気温データと向き合う夏
今年もまた、あの言葉を聞くことになりました。「7月の気温、過去最高の昨年を更新」。気象庁の発表によると、昨年を上回る記録的な暑さに見舞われ、さらに8月前半も広範囲で35度以上の猛暑が予想されています。
体感温度が連日危険水域に達する中、エアコンはフル稼働、水分補給も欠かせません。しかし、ただ暑い暑いと嘆くだけでなく、この異常気象をデータとして捉え、過去の記録と比較してみるのも、現状を理解する上で重要かもしれません。
そこで、今回はPythonを使って、過去の気温データに触れてみることにしましょう。気象庁のホームページなどから過去の気温データをCSV形式でダウンロードし、Pythonで簡単に分析することができます。
以下は、簡単なスクリプト例です。CSVファイルを読み込み、最高気温の平均値を計算するだけのシンプルなものですが、これをベースに、グラフを描画したり、年ごとの比較を行ったりと、様々な分析に応用できます。
import csv
def calculate_average_temperature(filename):
"""
CSVファイルから最高気温の平均値を計算する。
"""
temperatures = []
with open(filename, 'r', encoding='utf-8') as file:
reader = csv.reader(file)
next(reader) # ヘッダーをスキップ
for row in reader:
try:
temperature = float(row[1]) # 最高気温の列(仮に2列目とする)
temperatures.append(temperature)
except ValueError:
pass # 最高気温が数値でない場合はスキップ
if temperatures:
average_temperature = sum(temperatures) / len(temperatures)
return average_temperature
else:
return None
def main():
"""
メイン関数
"""
filename = 'temperature_data.csv' # CSVファイル名
average_temp = calculate_average_temperature(filename)
if average_temp is not None:
print(f"最高気温の平均値: {average_temp:.2f} 度")
else:
print("データの読み込みに失敗しました。")
if __name__ == "__main__":
main()
このスクリプトを実行するには、temperature_data.csv
というCSVファイルを作成し、中に気温データを格納する必要があります。CSVファイルは以下のような形式である必要があります。
日付,最高気温,最低気温
2022-07-01,35.2,25.1
2022-07-02,36.1,26.3
2022-07-03,34.8,24.9
...
もちろん、このスクリプトはあくまで一例です。Pandasなどのライブラリを使えば、より高度なデータ分析や可視化が容易になります。例えば、特定の期間の平均気温を計算したり、年ごとの気温変化をグラフで表示したりすることも可能です。
記録的な猛暑が続く今こそ、過去のデータと向き合い、地球温暖化の影響を肌で感じてみるのも良いのではないでしょうか。Pythonは、そのための強力なツールの一つとなり得ます。
猛暑はまだまだ続きます。エアコンを適切に利用し、水分補給を忘れずに、くれぐれも体調にはお気をつけください。そして、少しでも時間があれば、Pythonを使って、地球の未来について考えてみるのも、有意義な夏の過ごし方かもしれません。
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