7300年前の鬼界カルデラ噴火:完新世最大規模の噴火をPythonで体感する
先日、神戸大学の研究グループが、7300年前に発生した鬼界カルデラ噴火が完新世(約1万1700年前から現在まで)において最大規模の噴火であったことを解明したというニュースが発表されました。この噴火は、九州南部を中心に広範囲にわたって壊滅的な被害をもたらし、当時の縄文文化に大きな影響を与えたと考えられています。
このニュースを聞いて、改めて自然の脅威、そして過去の出来事が現代にまで影響を与えていることを痛感しました。現代の科学技術をもってしても、完全に予測し、防ぐことは難しい自然災害。過去の噴火規模を知ることで、未来への備え、減災対策に役立てていくことが重要です。
今回は、このニュースにちなんで、噴火規模を可視化する簡単なPythonスクリプトを作成してみました。VEI(噴火規模指数)という指標を使って、鬼界カルデラ噴火の規模を他の有名な噴火と比較し、その大きさを実感できるようにします。
def calculate_ejected_volume(vei):
"""VEIから噴出量を計算する"""
volume = 10**(vei - 1)
return volume
def compare_eruptions(eruption1, vei1, eruption2, vei2):
"""2つの噴火を比較する"""
volume1 = calculate_ejected_volume(vei1)
volume2 = calculate_ejected_volume(vei2)
ratio = volume1 / volume2
print(f"{eruption1}の噴出量は{eruption2}の{ratio:.2f}倍です。")
def main():
"""メイン関数"""
kikai_vei = 7 # 鬼界カルデラ噴火のVEI (推定)
tambora_vei = 7 # タンボラ火山噴火のVEI
pinatubo_vei = 6 # ピナトゥボ火山噴火のVEI
print("噴火規模比較")
compare_eruptions("鬼界カルデラ噴火", kikai_vei, "タンボラ火山噴火", tambora_vei)
compare_eruptions("鬼界カルデラ噴火", kikai_vei, "ピナトゥボ火山噴火", pinatubo_vei)
if __name__ == "__main__":
main()
このスクリプトは、VEIを入力すると、それに対応する噴出量を計算し、別の噴火と比較して、その差を倍率で表示します。VEIは噴火の規模を表す指数で、0から8までの値で表されます。値が大きいほど、噴火規模が大きくなります。
スクリプトを実行すると、鬼界カルデラ噴火の噴出量はタンボラ火山噴火の1倍、ピナトゥボ火山噴火の10倍であることがわかります。
もちろん、これは単純化したモデルであり、実際の噴火の複雑さを完全に表現しているわけではありません。しかし、このスクリプトを通して、鬼界カルデラ噴火の規模を少しでも体感し、過去の出来事に思いを馳せるきっかけになれば幸いです。
今回のニュースは、過去の災害から学び、未来への備えを怠らないことの重要性を改めて教えてくれました。科学技術の進歩とともに、過去の記録を解析し、災害予測の精度を高めていくことが、私たちにできることの一つでしょう。
科学ニュース一覧に戻る